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山口健二 YAMAGUCHI Kenji 生年: 1965  教授

講座 学校教育学(School Education)

専門 教育社会学(Sociology of Education)

開講授業
  教育社会学 教育社会学演習 教育社会学特講 教職論 教育の制度と社会
    (以上学部)
  教育社会学特論 教育社会学演習
    (以上大学院修士課程)

研究題目とその内容(Research subjects)
高等教育研究

日米比較をもとに高等教育のマス化・ユニバーサル化の過程を追跡する。

高度成長期の高等教育進学率の上昇は“学生文化”に何をもたらしたのか、マクロな文化変動過程をも視野に入れた分析を試みる。

教育組織の
構造分析

「緩やかな連結」などのアイディアを手がかりに、非官僚制的に運営される組織(大学組織も含む)における意思決定の構造について考察する。

アメリカにおける大学・美術館などの大規模な教育組織の変容過程を「制度論」的に読み解く。 関連業績: [1] / [2]

読書の社会学

おおきくは「趣味の社会学」「文化社会学」に包摂される問題設定。近代社会における趣味はつねに「趣味ビジネス」を前提とする。読書を手がかりとして、戦後の日本において趣味はいかに「消費」されてきたのかを考察する。

美術館の社会学

美術館の組織転換は美術への趣味をどう変えてきたのか。アメリカの事例を見ながら、わが国の今後の美術館と“美術消費者”がどこへ向かうのか考察する。 関連業績: [3] / [4] / [5] / [6]

中等教育と進学

高校(新制)や中学校(旧制)から上級学校へ進学するという行動は社会史的に見たばあい、いかなる意味を有するのか。海外の事例にも目を向けながら、大正・昭和の“受験生”たちの心性を探る。 関連業績: [7]

研究業績(Publications)

「見る・作る・知る、そして問いかける」
 『美育文化』第56巻 第5号(2006)

「第三の領域“キュレーション”がめざすもの―<見せる>意義を語る場をつくる」
 『美術フォーラム21』第11号(2005)

「世紀末アメリカにおける美術館の組織転換―“教育する組織”の進むさき」
 『岡山大学教育学部研究集録』第122号(2003)  (上掲の「関連業績[1]」)

「“伝統校”と進学実績の戦前・戦後―一高・東大生の輩出校調査を中心に」
 『岡山大学教育学部研究集録』第119号(2002)  (上掲の「関連業績[6]」)

「文化配信装置としての組織―マイヤー制度論の文化社会学的射程」
 柴野昌山編『文化伝達の社会学』世界思想社(2001)

「活字メディアからみた学生生活──本の読める時代と読めない時代」
 IDE(民主教育協会)発行『IDE─現代の高等教育』No.417(2000)

授業(学部)の内容とその方法(Teaching methods)

講義では、教育社会学的な思考力を身につけること第一の主眼とし、その範囲で理論・学説を紹介している。演習等では、学生個々の身近な問題関心から出発し、最終的には、説得力のあるプレゼンテーション(論文執筆も含む)はいかに可能かを各自が体得することを目的としている。学部教育段階では教育社会学的な方法論に固執することは意図的に避けているが、論理性・(社会)科学性にかんしては決してゆるがせにしていない。

大学院生の教育(Graduate students)

講義・演習をつうじて、教育社会学の理論・学説・方法論を徹底して訓練しているが、教育社会学的思考法の長所はもちろん、短所にも精通させることを心がけている。社会学が教育について何を語ることができるか、またそれはどういう意義があるのか。学生たちに十分に自覚させたうえで論文執筆に取り組ませている。

自己努力目標

経験の個別性の背後に隠れた社会性(法則性)を追求することこそ、教育社会学を含めたすべての社会学の原点である。理論や学説を軽視するのではなく、それらを十分に咀嚼したうえで、日本社会で実際に生起する教育現象に回帰すること。言葉で語ってしまえば陳腐だが、その実践は容易ではない。日々の研究・教育活動に対し、自己批判を欠かさないようにしている。

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栄養教諭認定講習の受講生むけダウンロード・ファイルのリスト

読書指導(ブックウォーク)用のプリント・リスト  ** 2006年3月卒業の恩村祐紀くん作成 **