マイクロステップ技術を利用した教育支援
(岡山県赤磐市)

 2014年9月より、岡山県赤磐市の小学校4校の児童さんを対象に、マイクロステップ技術を利用した漢字の読みドリルの支援がはじまりました。そこで提供しているドリルのサンプル(1日分のドリルと、テストのみ)、実際に配布しているフィードバックのサンプル(伊原木岡山県知事が視察に来られた時に配布したもの)を下にリンクしておきます。

  • 漢字読みドリル(1週間分)[PDF]
  • 1週間分のドリルのサンプルです。5日目に客観テストが入り、自己採点表が最後についています。このファイルが両面で印刷されたものがクラス単位で届けられます。

 
 ドリル内容は子ども一人ひとり違います。ドリル帳は岡山大学で印刷され、宅急便で定期的に学校に届けられます。学校の先生が一人ひとりに1週間~1ヵ月分を手渡し、ドリルの時間に子どもがその日に行う分を取り出し、ドリルチェックを行います。終わった順に、教室に設置されているスキャナで子どもがスキャンすると、そのデータが全てクラウドストレージ(NTTコミュニケーションのマイポケット、evernoteなど)にアップされます。大学で全ての画像データをダウンロードし、OCR処理(チェックミスの修正)をし、記録・解析用のシステムへ転送します。記録・解析システムで、全ての反応データを対応するデータベースに記録し、一人ひとりの解析結果をクラス単位にまとめて、下の例のようなフィードバック冊子として印刷します。その冊子を郵送し、学校の担任を通じて子どもに手渡してもらい、自宅へ持ち帰るよう指導していただきます。それと別に、担任にはクラス全員の子どもの到達度グラフを冊子体として郵送し、成績の上がりや学習量を見て、子どもを褒めるなど指導をしていただいています。

  • 成績フィードバックの例[PDF]
  •  平成27年1月27日に赤磐市の取り組みを伊原木岡山県知事が視察に来られました。その際に、支援者からのメッセージとして本学教育学研究科長の高塚教授からのメッセージを表紙にし、ゼミの留学生からのメッセージなどを最後につけた冊子として全員の子どもに一人ひとりの成績のグラフを印刷し配布してもらいました。

 現在のテスト技術では、日々の学習に対応して上昇していく個人の達成度を正確に把握することができませんでした。マイクロステップ技術による支援の特徴は、一人ひとりの学習達成度を正確にグラフに描きだすことができ、さらに、学習の成果を子どもたちにフィードバックすることによって、毎日の学習の積み重ねの効果を子どもたちが実感させられるようになりました。自分自身の日々のわずかな学習の成果が着実にグラフとなってフィードバックされると、子どもは確実に変わります。
 既に大量のデータが収集され、解析結果から子どもの意欲や学習を継続しようという意識の向上がデータとして見えてきています。

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寺澤研究室について

寺澤研究室は平成29年度現在、学部生7名、修士2名、博士(連大)1名で「学習や記憶」「新たな教育評価」「縦断的ビッグデータ」に関する研究を行っています。
寺澤研究室の紹介

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