マイクロステップ技術に関する麻布高校での実験結果

他の実験結果との比較など、実験目的に応じて新しい知見が出てくるごとにこちらで公表していきます。現時点で明確な事実は以下のとおりです。なお、開発・利用したDS用英単語学習ソフトは、「THEマイクロステップ技術で覚える英単語」です。

  • 一人ひとりの英単語の実力レベルの到達度が、きれいに描き出されました。毎日どのくらいのペースで学習していくと、何ヶ月ぐらいで2170の英単語をマスターできるのかを個別に予測するために有益な知見が得られています(日本心理学会第73回にて発表)
  • 全く意味を知らない英単語(310語)を、このソフトが提供するスケジュール(1難易度を15~数分毎日学習)で学習していった場合、実力レベルで習得するのに、最低でも4ヵ月以上はかかるという予測が出てきました。「英単語が簡単に覚えられるというのは幻想です」。実力レベルの学習の積み重ねを科学的に測定する方法は、現時点では、マイクロステップ技術しかありません。
  • 利用したソフトは、50日程度以上学習を継続すると新技術の効用が実感できるような設計になっています。その期間を超えて学習していただいた20名の生徒さんのうちほのとんどは、このソフトを使って英単語の学習を継続したいと評価しています。継続して学習をしようという意欲を高める可能性が高いと考えています。
  • 「ただ英単語を4段階で判定して、それを“見流す”だけでもずい分と単語がわかるようになることに感心した。というよりは驚きました。」という生徒さんのコメントがありました。一般的な記憶成績(一夜漬け的な記憶:顕在記憶といいます)に大きな影響を持つ、「覚えようという意図(記銘意図といいます)」の有無が、実力(潜在記憶)レベルの記憶成績には影響しないことが、潜在記憶研究では示されています。その事実を反映している興味深いコメントです。

寺澤研究室について

寺澤研究室は平成29年度現在、学部生7名、修士2名、博士(連大)1名で「学習や記憶」「新たな教育評価」「縦断的ビッグデータ」に関する研究を行っています。
寺澤研究室の紹介

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