岡山大学 教育学部/岡山大学大学院 教育学研究科「国語教育講座」

学部

小学校教育コースでは、小学校教育への関心と理解があり、いろいろなことに積極的に取り組み、子どもたちと一緒に活動することが好きな人、また、得意な分野を生かして学ぶことの楽しさを伝えることに意欲のある人を求めています。

中学校教育コースでは、それぞれの教科の専門分野について関心と理解があり、中学校教育について熱意と意欲を持っている人を求めています。

 国語:言語や文学に強い関心を持ち、国語教育に情熱を持って取り組むことができる人

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  • 国語教育講座のスタッフは、平成27年度(2015)現在8名(専任7、非常勤1)の教員で構成されています。
  • 国語教育学2名、国語学2名、国文学2名、漢文学1名、書写書道1名(非常勤)という構成で、学生・院生の指導と研究活動を行っています。
  • このページをご覧になられた、高校生・既卒者、他大学の学生・院生、各学校の進路指導担当教員の方で、国語教育講座の指導内容・体制に関する情報を求められる場合は、下記教員のアドレスへご相談ください。(メールの英数字の後に、@okayama-u.ac.jpを加えて送って下さい。)
名前 田中智生/Norio TANAKA 田中智生/Norio TANAKA
メール tanakano
研究内容 教育学、特に国語教育の基礎理論研究・
日中比較国語教育研究・歴史研究・実践研究・調査研究。
ゼミ
  1. ゼミの内容  
    ゼミ生による国語教育学分野の課題を巡る報告と検討。
  2. 過去の卒論題目
    • 芦田恵之助の読み方教育論
    • 峰地光重の聴方教育論
    • 大村はまの古典教育
    • 小学校における対話指導の研究
    • 情報化社会における「書くこと」の教育の研究
教員からのメッセージ

テーマは自分で見つけてください。そのテーマで論文になりそうかどうかのアドバイスはします。毎週のゼミ以外に、土曜日開催の月例研究会に参加してもらいます。そこでの発表担当もあたります。その他に興味と意欲のある人には、二つの月例研究会があります。指示を待って作業をするタイプの人は、いつまでたっても卒業できない可能性があります。

名前 浮田真弓/Mayumi UKIDA 浮田真弓/Mayumi UKIDA
メール maukida
研究内容 国語教育史・国語科授業研究・国語科指導法
ゼミ
  1. ゼミの内容
    1. 毎週開催
    2. 演習形式
      『国語科教育研究の成果と展望I・II』の輪読、卒論のテーマにそって資料を作成し、発表、添削などを行います。卒論のテーマがなんとなくでも決まっていることが前提です。
    3. 長期休暇中も不定期実施します。
  2. 過去の卒論題目
    • 文学的文章の系統的指導に関する指導―小中接続期における文学教育のカリキュラム開発―
    • 中学年における作文指導方法の実践的研究
    • 小中一貫国語科カリキュラムの研究―言語事項を中心とした考察―
    • 日本語学習者の誤用分析から見る日本語に関する一考察
    • 向田邦子作品の家族観
教員からのメッセージ

専門分野は国語教育学です。戦前の旧制中学校、高等女学校の国語科について研究しています。歴史研究とともに国語科の授業や教員の研修に関しても参加型アクションリサーチをしています。

講義では、小学校教員、中学校教員むけの指導法の講義を担当しています。講義だけではなく、実際の授業づくりに役立つ内容を演習形式で行っています。

国語科だけではなく、広く教育に興味を持っている学生を求めています。

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名前 伊土耕平/Kohei IDO 伊土耕平/Kohei IDO
メール idoko
研究内容 古代語・現代語の文法・修辞・文体など
ゼミ
  1. ゼミの内容
    1. 開催:前期は毎週1回、後期は個人指導が中心だが12月のみ毎週開催。
    2. 演習形式。最初の3回はガイダンス・研究の方法・データ作成実習を行う。その後、文献講読と自由発表。前者は1本の文献を決め、それにもとづいて発展的な議論を構成する。後者は発表者が自分の研究テーマについて自由に発表する。いずれも学生中心。
    3. 夏休みと春休みにはリポートを課す(後者は3年生のみ) 。
  2. 過去の卒論題目
    • 『万葉集』におけるク語法・準体法・連体法の構文的研究
    • 古代語における過去の助動詞キ・ケリについて
    • 文学作品における語彙の研究 ―軍記物語における装束の色彩語―
    • 「理由を表すカラ」と「理由を表さないカラ」
    • 終助詞の使用とその効果
教員からのメッセージ

最近は現代語における名詞を中心とする表現について研究しています。例えば、「若い男女が話をしている。雨の音。男は立ち上がった。……」という文章があったとして、下線部分の表現効果や、それを含めた文章全体の構造を明らかにしようと思っています。また、ここ20年ほど修辞法の用例の収集もしており、すでに2万例ほどたまりました。「国語学(現代語)」などの授業で一部を使用しています。いずれ文法と修辞の関係について、考えをまとめようと思っています。

ゼミの活動自体は成績が出ないので軽視されるかもしれませんが、そもそも勉強は自分のためにするものです。一所懸命にやった分だけ、自分の身になります。それでよいではありませんか。それが形(=論文)になる、なんと楽しいことではありませんか!

名前 又吉里美/Satomi MATAYOSHI 又吉里美/Satomi MATAYOSHI
メール satomim
研究内容 方言、現代語文法(文法記述)、談話研究
ゼミ
  1. ゼミの内容
    1. 毎週開催
    2. 発表形式
      各自の卒論内容についての報告と検討をおこなっています。
      卒論は個人で書く作業ですが、教員やゼミ生と討論したり、内容を検討したりすることで研究を深めることによってよりよい卒論になります。そのため、お互いの研究に対して興味を持ち、それぞれの研究に対して意見を述べることを意識してほしいと思います。
    3. スケジュール(理想) 
      3年前期:卒論のテーマを確定する。
      先行研究や予備調査をおこない、卒論のテーマを決める。
      3年後期:章立てを作成し、卒論の見通しを立てる。
      4年前期:章立てに沿って、卒論を執筆する。
      4年後期:章立てに沿って、卒論を執筆する。卒論全体をまとめる。
    4. 長期休暇中にゼミを1、2回開くことがあります。
  2. 過去の卒論題目
    • 安部公房の文体論
    • 会話運用と発達の相関関係についての考察
    • 島根方言のアスペクト形式の研究
教員からのメッセージ

方言を対象にして、言語の仕組みとは何かを考えています。学校文法は言語の仕組みをある一面から見たもので、絶対的なものではありません。中学校の教科書に「ちょっと立ち止まって」という教材があります。そこに「ルビンの壺」の絵がとりあげられています。壺にみえていたものが、見方をかえると人が向かい合っているように見えるというものです。言語にもそのような側面があります。様々な視点から言語を考えることは、日本語表現の解釈を広げることになると思います。そして、国語教育において、より深く、豊かに教材を分析したり、解釈したりする力につながればと思います。

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名前 木村功/Takumi KIMURA 木村功/Takumi KIMURA
メール kimutaku
研究内容 日本近代文学・現代文学・児童文学
ゼミ
  1. ゼミの内容
    1. 原則毎週開催
    2. 演習形式
      ①日本近代文学・現代文学、児童文学のいずれかのテキストを対象に、
      報告資料を作成する。
      ②報告資料に基づき発表し、メンバーと討論する。
      ③討論を踏まえて報告資料をレポートに書き直し、教員へ提出する。
      ④教員から個人指導を受ける。
      以上が半期分の活動です。
      これを3年前期・後期、4年前期と3回行い、卒論作成(4年後期)を最終段階とします。この演習を通じて、「読む・書く・考える・話す・聞く」を鍛えることを意識しています。
    3. 長期休暇中には、課題読書と小レポートを課します。
  2. 過去の卒論題目
    • 斎藤隆介論
    • 三島由紀夫論―「金閣寺」について―
    • 文学の中の障害者像―大江健三郎「静かな生活」論
    • 志賀直哉論―「清兵衛と瓢箪」「城の崎にて」「小僧の神様」の考察―
    • 夏目漱石「こヽろ」論
教員からのメッセージ

私の専門は、夏目漱石を中心とする明治期の日本近代文学の研究です。明治期の近代日本語形成期は、同時に近代日本の文化や価値観の形成期でもあります。近代の小説には、そのような言語・文化・価値観が形成されていく様相が反映されており、それを研究しているわけです。

この他の研究テーマとしては、言語によって表現された文化としての病と、その病を言語化するイデオロギーのあり方も研究対象としています。岡山にはハンセン病患者を強制収容した施設長島愛生園・邑久光明園がありますが、そのような場所を生み出した近代日本の衛生思想を研究しています。

授業では、国語教材となっている童話・児童文学・現代文学・近代文学の講読・演習の授業を担当しています。授業を作る上でまず必要なのは、言語情報(作品)をしっかり理解した上で、それを評価・相対化する想像的思考力です。また、それを分かりやすく的確に児童・生徒に伝える表現力です。それらの力を練成するのが、私の仕事です。

ICT(情報通信技術)の発達のめまぐるしい時代の中でも、人間の基本的な能力である「読む・書く・聞く・話す」は揺るぎません。国語教育は、人間の特性である言語活動能力と言語文化を育み継承する力を育成する、重要な教育活動なのです。
個人サイト: 「AREA SOSEKI」 ,「卒業研究」(学部生向け)

名前 松田聡/Satoshi MATSUDA
メール  
研究内容 日本古典文学
ゼミ
  1. ゼミの内容
  2. 過去の卒論題目
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教員からのメッセージ

 

 

 

 

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名前 土屋聡/Satoshi TSUCHIYA 土屋聡/Satoshi TSUCHIYA
メール tsuchi-s
研究内容 中国文学・中国思想・漢字学
ゼミ
  1. ゼミの内容
    1. 毎週一回開催。曜日や時限はゼミ生との協議で決定(昨年度は木曜2限)。
    2. 3年次は、読解力向上のために演習形式で作品の解読。
    3. 4年次は、卒論の先行研究調査・進捗状況報告。スケジュールは以下の通り。
      ・3年次後期中に仮テーマ設定(随時面談します)。
      ・3年次春休みに先行研究の収集、テーマの吟味。
      ・4年次年度初めに構想発表。毎週進捗状況報告。題目・概要の決定。
      ・11月、30枚程度(400字詰原稿用紙換算)のレポート提出。
  2. 過去の卒論題目
    • 曹操人物像研究
    • 『文選』詩文における『老子』の受容研究
    • 王羲之尺牘の研究
    • 墨家集団の研究
    • 『韓非子』五蠧篇における修辞の研究
    • 『法苑珠林』所収『捜神記』佚文の研究
    • 冨山房『漢文大系』所収『論語集説』研究
教員からのメッセージ

菁莪育才。皆さんを花壇に咲く花とするならば、私は水を撒く園丁に喩えられましょう。どのような花を咲かせても結構。全ては皆さん次第です。私自身は漢魏六朝の詩文や、最近では漢字学の研究をしておりますが、ゼミ生の研究テーマは必ずしもここに限定されません。自分自身の興味関心に従って研究テーマを選んで下さい。私が見たいのは花を咲かせるまでの過程(学問的手続き)です。

ところで、漢文学はそもそも外国語であり、「国語」の領域としては異色かもしれません。先人達は、日本語の中に持ち込まれたこの異質な言語体系に対して、これを文語文に直訳(訓読)することによって半ば強引に受容しました。実はそのことが日本人の思考力を鍛える結果になったのです。また、漢文学は相対的に日本を見つめ直す視座の獲得にもうってつけです。私たちは確かに日本で生活していますが、だからといって日本の姿が本当に見えていると言えるでしょうか。いちど日本から離れてこそ見えてくるものもあるのです。

漢文学に真正面から取り組むことによって得られた知見は、教師として活躍する時に有益な素養となる筈です。皆さんがそう遠くない将来に大輪の花を咲かせることを望みます。

前田秀雄(非常勤講師)

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