どうなる?
インタビュー

大学院の授業を受講してどうでしたか?
大学院では学部時代以上に,教育について多角的かつ俯瞰して学ぶことができました。他教科や他専攻の学生だけでなく,国際色豊かな学生が揃っている環境での議論を通して,これまでの自分の教育観がさらにアップデートされていくような,心地よい刺激を受けながら自身の思考の枠組みを大きく広げることができました。授業においても,ただ講義を聞くのではなく,自ら進んで文献や事例を調べ,根拠を持って自分の意見を発信することが求められます。この「自ら考え,調べ,発信する」という能動的な学びのサイクルを通して得た多角的な視点は,のちの専門的な研究を深める上でも,非常に大きな土台となりました。
岩淺 明寿香


教育科学専攻での日々はいかがでしたか?
とても充実していました。大学院で学びや研究内容を広げるだけでなく,学部の学びをさらに深めることができたのは,教育科学専攻の環境があったからこそだと実感しています。私は科目等履修の制度を活用し,6年間で約350単位,17種類の教員免許を取得しました。また,大学院の2年間は,学部時代に取得した教員免許を活かして,高等学校で非常勤講師として勤めました。専門的な研究というインプットに加え,現場での教育実践というアウトプットを通じ,最前線で教育を捉え直す機会を得られたことは,教員としての自覚ややりがいを育む貴重な経験になりました。修士1年次に教員採用試験で合格できたことは,この理論と実践を往還する経験によって専門性を高めることができたからこそだと考えています。研究面では,学会で最新の知見に触れ,発表機会も得て,研究に対する意欲を高めることができました。PBLは,自由度が高いからこそ難しくもありましたが,良い経験になりました。チーム運営や社会との連携を通じ,「社会から何が求められていて,自分はどんな価値を提供できるのか」という,社会貢献に踏み込んだ学びが得られ,共同研究の可能性を実感しました。


教育科学専攻での学びは,今のお仕事に役立っていますか?
現在の仕事においても大いに役立っています。常に根拠を持って思考する姿勢,困難に直面した時にも柔軟に対応策を模索する習慣,現状に満足せず改善し続ける姿勢などは,すべて研究科で養うことができました。加えて,データや資料を分析し,論理的に言語化し,学会発表のように第三者へわかりやすく伝える発信力など,研究活動で培った能力は全て実社会で求められるスキルだと感じています。また,社会人になって,世の中のあらゆる営みは「教育」という側面を持っているということを実感しています。どのような場面であれ,人は学び,吸収すべきものがあります。それをいかに的確に捉えられるかは,個人の資質に大きく左右されます。新社会人となり,多くの新しい情報に触れる日々の中で,「自分だったらこの内容をどうやって教え,伝授するか」と,その情報を常に分析している自分に気づきます。この教育者としての視点は,自身の理解を深めるだけでなく,将来的なビジョンを形作るうえでも役立つと確信しています。これからも教育的視座を忘れることなく,自分自身や周囲の成長,さらには社会や世界の発展に寄与できる人材になりたいと考えています。


教育科学専攻への進学を考えている方へ,一言お願いします。
大学院への進学は,人生の大きな分岐点です。今,あなたが抱えているのは,研究への情熱でしょうか,それとも先の見えない将来に対する漠然とした不安でしょうか。私自身も2年前,期待と不安が入り混じった思いで同じように悩んでいました。でも,どうか安心してください。勇気を出して一歩を踏み出した先には,想像以上に密度の濃い充実した2年間が待っています。決して楽な日々ではありませんが,悩みながらも全力で書き上げた修士論文は一生の宝物になり,「修士」という学位は,社会という未知の場所へ出る私に,揺るぎない自信を与えてくれました。進学を決断して本当によかったと,当時の自分に心から拍手を送りたい気持ちでいっぱいです。長い人生において,思う存分「学び」に向き合える時間は意外と限られています。どうか,「今」できることを大切に,目の前にあるたくさんの学びに,真っ直ぐに飛び込んでみてください。将来について真剣に考え,悩み抜いた末の「あとひとつの勇気」が,あなた自身の未来を素晴らしい方向へと変えてくれることを心から願っています。
