インタビュー

フクロウ2

岡山大学大学院に入られる前は何をされていましたか?

息子が6 歳のときに家族でオーストラリアに移住し,約16年間,主婦として子育てに専念してきました。多様な文化や価値観の中で,子どもが困難を乗り越え成長していく姿を間近で見る中で,教育の在り方や人の強さについて深く考えるようになりました。この時間は,私にとっても多くの学びに満ちた貴重な経験だったと感じています。

井筒 なぎさ(いずつ なぎさ)

2025年4月 修士課程入学

フクロウ2

どうして岡山大学教育科学専攻を選ばれたのですか?

子育てや教育の経験を振り返る中で,私自身の歩みや考え方にどのような意味があったのかを問い直したいと思うようになりました。そして,もしその経験に価値があるのなら,それを社会の中でどのように活かせるのかを改めて学び直したいと考え,進学を決意しました。岡山大学教育科学専攻では,世代や立場を超えて学び合うPBL といった実践が行われており,自分がこれから挑戦したい方向性と重なっていると感じました。こうした環境の中でなら,自分自身の問いにじっくりと向き合えると思いました。

フクロウ2

PBLを受講してどうですか?

実社会とつながる課題に取り組みながら,世代や専門分野を超えて対話を重ねていく中で,自分のこれまでの経験に新たな意味が見えてきました。特に,異なる視点や価値観に出会うことで,自分自身の考え方の偏りや思い込みに気づく機会が増えたように感じています。受け身ではなく,共に学び合うスタイルの中では,答えのない問いに向き合う場面も多くありますが,そのプロセスを通して自分の思考が少しずつほぐれていくような感覚があります。知識を得るだけでなく,自分自身を耕すような,そんな深い学びがある事を改めて実感しています。はじめは不安や戸惑いもありましたが,今では「新しい世界をのぞいている」というようなワクワク感とともに,「今,まさに学び直している」という実感を持ちながら,充実した時間を過ごしています。

フクロウ2

どのような研究を予定していますか?

美術教育を通じて,人生の困難や予測困難な現代社会において,それらをしなやかに乗り越える力(レジリエンス)をどのように育むことができるのかを研究したいと考えています。多様な環境下で困難に向き合いながらも,たくましく成長していく子どもたちの姿に触れてきたことから,レジリエンスの重要性を強く意識するようになりました。アートが持つ表現の力や,自己肯定感を育てる働き,他者と関わる力を養う可能性に注目し,個々の人生を前向きに生きる力へとつながる美術教育のあり方を探究していきたいと考えています。

フクロウ2

岡山大学修了後、将来のキャリアは?

将来的には,アートを通じて,子どもから大人まで一人ひとりが自分らしさを発見し,自分のペースで表現しながら生きていけるような場づくりに関わっていきたいと考えています。アートには,時に人生を変えるほどの力があると私は信じています。だからこそ,学校教育の現場にとどまらず,地域や福祉の分野とも連携しながら,アートの力で人と人とがつながり,お互いを理解し合えるような関係性を育てていけたらと願っています。また,もし美術教師として教育に携わる機会があれば,子どもたちが大人になった時,ふと思い出して心が少し温まるような,そんな美術の授業を届けられたらと思っています。

フクロウ2

最後に、一言、お願いします。

最後に,こんなシェイクスピアの言葉があります。「この世は舞台,人はみな役者」。人生という舞台の上で,私もまた新たな場面に立とうとしています。役を与えられるのを待つのではなく,自分自身で物語を紡ぎ,自分なりの人生を創り出していきたいと考えています。そして,年齢や立場に関係なく,「いつからでも挑戦できる」と思える社会を,自らの生き方を通して体現していけたらと思っています。誰かの心にそっと火を灯し,「私も何か始めてみようかな」と感じてもらえる,そんなきっかけになれたら嬉しいです。

フクロウ2

岡山大学大学院に入られる前は何をされていましたか?

中国の大学の財務会計教育専攻を卒業した後,日本語を勉強したり留学を準備したりしました。

LIU Qingyi()

2025年4月 修士課程入学

フクロウ2

どうして岡山大学教育科学専攻を選ばれたのですか?

グローバル化とデジタル化の進展により,企業は創造的思考や実践的スキルを持つ人材を求めています。STEAM教育は科学,技術,工学,美術,数学を統合し,問題解決能力や創造力を育む教育としてされています。しかし,中国ではSTEAM教育の導入がまだ十分ではなく,特に商業分野における実践研究が少ないからです。

フクロウ2

PBLを受講してどうですか?

PBLの授業はとても有意義です。留学生としてPBLに初めて触れたので,とても新鮮で深い興味を感じました。先生たちは多くのモデルと具体例を与えて,私たちがより良い課題を理解するのを助けてくれました。自分でいろんな課題に関する考えて,チームで協力しながら解決していく過程は,学びが深まるだけでなく,実践的な力も身につくと思います。この授業で学んだことは,今後の研究や理解を進める上で大きな助けになると感じています。それ以外,2年生のグループたちの発表を聞いた後,多い感想があります。もっと教育課題の多様な可能性があると感じました。

フクロウ2

どのような研究を予定していますか?

私は,商業教育におけるSTEAM型の授業実践を通じて,生徒の会計的思考力や意思決定力がどのように変化するかを研究する予定ですが,もう少し事前調査を進めてから具体的なテーマを決めたいと考えています。

フクロウ2

岡山大学修了後、将来のキャリアは?

岡山大学大学院を修了した後は,教育分野で教師として働きたいと考えています。特に,STEAM教育を活かして,実践的で創造力のある授業ができるような教育者を目指しています。将来的には,母国の教育にも貢献したいと思っています。

フクロウ2

最後に、一言、お願いします。

人生に無駄な一歩はないと信じています。挑戦すれば,必ず何かしらの答えが見つかると思います。

フクロウ2

岡山大学大学院に入られる前は何をされていましたか?

岡山大学教育学部に在籍し、小学校教育を専門に学んでいました。また、小学校教諭一種免許状、幼稚園教諭一種免許状、中学校教諭(社会科)一種免許状を取得しました。

山田 愛莉(ヤマダ アイリ)

2024年4月 修士課程入学

フクロウ2

どうして岡山大学教育科学専攻を選ばれたのですか?

教育の可能性を拡げる多種多様な教育科学の学修・研究ができるところに魅力を感じたからです。小学校教諭を目指す者として、今日の教育課題の解決に挑みながら教育の専門性を高めること、大学院の仲間と教育の意義を追求することは自分自身の成長につながると考え、入学を決めました。

フクロウ2

PBLを受講してどうですか?

国籍も専門領域も越えた仲間とともに学び研究することで、自分の世界が広がったように思います。特に、多様な価値観をもつPBLメンバーや高い専門知識を有する先生方、お力添えくださる機関・企業の方々との議論は、新しい考え方を獲得したり自分の考えを深めたりするきっかけとなりました。正解がない課題に取り組んでいく不安や難しさはありますが、それ以上に仲間と協働する楽しさや充実感に溢れていると感じています。

フクロウ2

どのような研究を予定していますか?

「体験活動が子どもの自尊感情にもたらす効果」について研究を進めています。学校行事の宿泊体験に着目し、子どもの意識がどのように変わるのか、効果的な体験プログラムはどのようなものかを明らかにしたいと考えています。そのまま教育の現場で活用できる研究を目指したいと思っています。

フクロウ2

岡山大学修了後、将来のキャリアは?

子どもたちとともに歩むような小学校教諭を目指しています。岡山大学大学院で培った力を生かして、子どもたちが「自分らしさ」を大切にして生きるためのサポートがしたいと考えています。

フクロウ2

最後に、一言、お願いします。

岡山大学大学院での学びは自分自身の人生の糧になると信じています。この貴重な機会に感謝しながらチャレンジ精神旺盛に学び続けていきたいです。

フクロウ2

岡山大学大学院に入られる前は何をされていましたか?

岡山大学教育学部中学校コース社会科専修自然地理学ゼミに所属しており、巡検や調査といったフィールドワークによく行きました。分野は地理学・地形学・防災教育で、それに関することを学んだり活動したりしました。幼児教育にも興味があったので受講しました。

白銀 美里(シロガネ ミサト)

2024年4月 修士課程入学

フクロウ2

どうして岡山大学教育科学専攻を選ばれたのですか?

中・高における教科が、さらにどう分化していくのか、そしてどのように繋がっているのか、を知っているか否かで、授業展開や生徒の質問に対する答えが変わっていくと思ったからです。また学問の入り口にいる生徒に、その面白さを十分に味わってもらうためには、教員になろうと考えている自分自身がその学問を使う面白さを知っていることが大切だと考えたからです。そしてそれは、教える立場にある人の自信にもつながっていると考えました。研究を通して身につく論理的思考力や見方・考え方が、まさに学習指導要領で求められている「見方・考え方」だと思います。この力を生徒に身につけさせるためには、教員自身がその力を身につける経験をし、その学問の本質を得ていることが必要だと考えました。

フクロウ2

PBLを受講してどうですか?

全く違う分野の人と関わる機会というのは中々ないもので、研究方法やその分野の視点を専門外の人に伝える難しさを感じるとともに、私にとって新たな手法と視点を手に入れることができる授業がこのPBLです。専門分野をつなげていく面白さがあります。どんなことができるかわくわくしています。

フクロウ2

どのような研究を予定していますか?

卒論で完新世における地殻変動について研究したので、修論ではさらにその研究を発展させていこうと考えています。自然現象である地震などの地殻の動きが、私たちが暮らしている舞台である地形をどのようにつくっているのか大変興味があります。特に私は海成段丘という地形に注目しています。高校は文系科目を選択していましたが、地形学を深めていくと、物理や化学を知っていたらもっと面白くなるだろうなぁと感じる部分に出合います。そのため高校生向けの授業動画等を駆使して地形学とともに学んでいます。

フクロウ2

岡山大学修了後、将来のキャリアは?

日本中の地形を見て回れる企業に就職を考えています。教員になるとフィールドに出にくくなるので、地形を扱う仕事をしたいです。そして地形を十分見て回り、専門知識を使う経験を培った後、教員になって生徒たちに地形の面白さを伝えられたらと考えています。また企業に就職しても、子どもたちと関わる機会を積極的につくって伝えていけたらと思います。

フクロウ2

最後に、一言、お願いします。

自分が面白いと思うことを深めていきましょう!