インタビュー

フクロウ2

岡山大学大学院に入られる前は何をされていましたか?

東京藝術大学在学中に歌手デビューして以来、28年間活動しています。現在も学業と並行して、アーティスト・マネジメント、CD制作をする会社を経営しています。また、小学6年、中学2年の子育て中です。

沢 知恵(サワ トモエ)

フクロウ2

どうして岡山大学教育科学専攻を選ばれたのですか?

父が学生時代にボランティアをした香川県にあるハンセン病療養所大島青松園に、生後6か月のとき初めて行きました。子どもを持つことをゆるされなかった入所者のみなさんは、私を娘のようにかわいがってくださいました。隔絶された療養所で、音楽が人々にとって生きる力となり、独自の文化を形成したことを知り、研究として取り組みたいと思うようになりました。2014年に千葉から岡山に移住し、岡山大学で音楽教育の観点から指導していただけそうな教員に出会うことができました。その先生から、「PBLを基盤にした新しい修士課程は、きっとあなたに向いていると思う」と言われたのが、本専攻を選ぶことにつながりました。

フクロウ2

PBLを受講してどうですか?

専門のちがう5人がチームを組んで、「差別」をテーマにフィールド・ワークを行い、映像作品をつくりました。個性をぶつけ合い、お互いの持てる力を出し合う経験は、青春そのものでした。なんでも言い合える仲間を得ました。修士論文の土台になる部分ができて、ラッキーでした。

フクロウ2

どのような研究をしていますか?

北は青森から南は沖縄まで、全国に13カ所あるハンセン病の国立療養所でのフィールドワークを中心に、文献、楽譜、音源の収集と分析を行っています。修士論文では、園歌に焦点をあてて、抑圧と解放のはざまで生まれた音楽について考察します。

フクロウ2

岡山大学修了後、将来のキャリアは?

研究もつづけたいですし、うたも歌いたいです。対象や方法はちがいますが、「伝える」仕事という点では同じです。二刀流でいけたらベストです。

フクロウ2

最後に、一言、お願いします。

子育てをひと段落した女性のみなさん、学び直し、研究の世界にチャレンジしてみませんか。経験を重ねた分、楽しいですよ。