確実に意欲と学力が向上するデータを提供します

 ICTの導入のメリットはよく耳にしますが、それを客観データとして示している実践や研究はほとんどありません。ICTの導入が結果的に学力をアップさせることを科学的に証明するためには原理的に困難な問題を解決する必要があります。
 本研究室が確立したマイクロステップ技術は、学力の上昇を、従来考えられなかったほど高精度に、そして[個別]に描き出し、それを子どもや保護者へ個別にフィードバックすることを可能にしました。日々のわずかな学習に対応して、ほぼすべての子どもの成績が、確実に上がっていくことを、長期にわたり可視化することが可能にりました(詳細はこちらを参照)。その成績は低学力層の子どもも確実に上昇していきます。そのグラフを子どもや教師や保護者が受け取ることで、子どもの意欲は確実に上昇することが、科学的に証明されました。つまり、同じe-learningを行えば、低学力層の子どもたちの学力と意欲を必ず底上げできます。
 そこで、一般の学校等(主に、高校やタブレットを導入している小中学校、大学等)に対して、教育ビッグデータをバックボーンとする新型e-learningを提供することにいたしました。「教育をどうにかしたい!」という意思をお持ちの関係者の方は是非、下記をご参照の上、当研究室(ページ最後のメールアドレス)へお問合せください。

教育は我々が「変える」のではなく、一人の子どもの行動から「変わっていく」ものです。

 マイクロステップ技術は、これまで測定できなかった、子どもの学習成果や意識変化を高精度に可視化し、それをフィードバックする技術ですが、日々のわずかな学習の成果が手に取るように見えるようになることで、子どもが「やればできるようになる」ことを実感し、新たな意欲を手にし、自ら行動を起こすようになります。学力低下、意欲低下、経済・教育格差、不登校、いじめなど、これまで解決できなかった教育問題を、一人ひとりの子どもの意欲と行動が解決していきます。

受託事業として導入していただけるようになりました

[タブレットなどによるe-learning:重点的に募集します]
 一般的なブラウザが利用できるタブレットやスマートフォン、PC等を子ども一人ひとりが利用できる環境があれば、本学と簡単な受託研究契約等を結んでいただくことで、比較的安価な費用で最新のe-learningを提供することが可能です。そのような自治体、小中高校・大学を募集します。
 具体的には、子ども一人ひとりにIDとパスワードを配布し、端末上で単語カード的な学習を行ってもらいます。その学習データは全てインターネットを経由して本学に集められます。それを個別に記録・解析し、その結果を、学校などのクラスごとに、印刷物として、各学校等へ郵送し、担任の先生方から手渡してフィードバックしていただきます。教師と保護者が子どもを励ますことができるため、確実に子どもたちの意欲を上げることができます。英単語学習や漢字の読みなど、本来子どもの自主学習に任せるべき学習は、先生方は手をかけず、学習状況を把握し、指導に生かしてもらえる状況を作ります。


マイクロステップドリルの社会実装の状況

 近年、タブレットの導入が全国的に広がりを見せていますが、単にタブレットを導入するだけでは、実質的な学力や意欲アップにはなかなか結び付きません。e-learningの最大の問題は、慣れると意欲を継続できない点にあります。新技術により紡ぎだされる個人ごとの情報は、これまで全く見えなかった子どもの学習の成果を可視化し、子どもの「学習を継続しようという意欲」を高めることが実証されはじめています(文部科学省の科学研究費補助金[基盤研究A]等多数の研究助成を受けようやく実用レベルになったものです)。

 新型ドリルは、次の3タイプを提供してきました。

(1)紙のドリル(漢字の読み・書き、4字熟語、中学校の英単語等)
(2)スマートフォンやPCによるe-learning
(3)任天堂DS用英単語学習ソフト(ロム)を使った英単語学習

 紙媒体による新型ドリルは、2005(平成17年)年ごろより研究開発を始め、10年ほどの間に多数の一般の小・中・高校のご協力のもと実証実験を実施し、平成26年ほぼ実用レベルの支援が可能になりました。平成26年9月には岡山県赤磐市とベネッセコーポレーションと当研究室との間で産学官連携事業契約を結び、印刷や作業の費用を受託し新型ドリルを年間を通じて提供しています(山陽新聞記事)。紙媒体の新型ドリルシステムは、ほぼ完成した状況にあります。
 e-learningシステムは、紙ドリルに先行する形で開発を進め、高校生と不登校生徒を対象にプロトタイプシステムを使った実践研究を実施し、微細な成績の上昇の可視化を確実にしました。ただ、小学生の実験において、成績のフィードバックが、子どもの「学習を継続しようという意識を高める」ことが確実になったこと、および携帯電話やインターネットの普及にまだ時間がかかると判断し、研究開発の中心を紙媒体によるドリル支援にシフトさせました。その後、平成26年度に紙の新型ドリルの運用がほぼ手がかからなくなったことを受けて、大学受験・TOEIC対策に有効な英単語コンテンツを使ったe-learning(PC、スマホ)を大学生対象に開始しました (参照:高校生対象のイベント小学生対象のイベント)。
 その間、NINTENDO DSの普及にあわせDS用英単語ソフトを開発し、それを用いた長期学習実験を実施(長野県飯田高等学校、東京麻布高等学校、岡山大学)し、英単語の習得プロセスを解明しました(DSのソフトについてはこちらにあります)。

教育の最大の課題の解決

 教育の最大の課題は、「面白みに欠ける学習を子どもが自ら学習する状況」を作ることだと考えています。その課題を、ビッグデータのスケジューリング技術により根本的に解決できる道筋がはっきりと出ています。
 子どもの意欲を高める方法には、知的好奇心、コンテンツの面白さ、協働的な環境など様々ありますが、従来の方法では、英単語や漢字の勉強など、基本的に自力で継続しなければ身につかない基礎学力を高めることはできませんでした。新しい方法は、新しい動機付けの理論が背景にあります。皆さんが、GoogleやYahooに頻繁にアクセスしたり、ゲームをやめられないのはなぜでしょうか。人間は大きく2種類の情報を求めて行動を引き起こします(参考文献は寺澤(2012))。そのうちの一つを科学的に提供できるようになりました。

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寺澤研究室について

寺澤研究室は平成29年度現在、学部生7名、修士2名、博士(連大)1名で「学習や記憶」「新たな教育評価」「縦断的ビッグデータ」に関する研究を行っています。
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