岡山大学教育学部特別支援教育講座

海外研修体験記

海外研修では、3つのことが印象に残りました。1つは、特別支援の子どもたちに関わる先生や専門家の人数の多さです。1つの学校の中に、多くの専門家や教員がいて、一人ひとりの特別な支援を支えていることに驚きました。2つめは、障害のある子どもと障害のない子どもが共に学ぶ時間が多く設定されていることです。私が見学した高校では、選択科目の中にソーシャルスキルの時間があり、障害のない生徒がピアサポーターとして参加していました。子どもたち同士が交流できる場がたくさんあることに驚きました。3つめは、障害のある子どもが、必要に応じて18歳から21歳まで教育を受けられる制度についてです。地域に出るための準備期間が長く設定されていて、職業について学んだり、さまざまな仕事をしてみたりする良い時間になるのではないかと感じました。このように、さまざまな刺激を受けた海外研修は、特別支援教育をもっと学ばなくてはならないという想いにさせてくれました。


海外研修に参加する前は、「アメリカの特別支援教育は進んでいる」と思い込んでいた。実際に参加してみると、革新的な取り組みがたくさんあり、1つ1つが新鮮で、思っていたことが本当だと思える部分があった。でも、1つ1つ振り返ってみると、日本でも行われていることがたくさんあり、アメリカが進んでいるわけでも、日本が遅れているわけでもないことに気付いた。文化による違いはあるけども、子どもたちに対して用いやすい支援方法や伝わりやすい支援方法は、国が変わっても共通していると感じた。


海外研修は最初から最後まで刺激を受けることの連続でした。多くの教育現場を訪れ、それぞれの取り組みを比較する中で、さまざまな考えが生まれてきました。カンザス大学では、Cheatahm先生とのディスカッションを通して、文化的背景の異なる保護者と教員とのパートナーシップについて学ぶことができました。今後は、多面的で多角的な視点を持って、日本の特別支援教育を捉える姿勢を持とうと思いました。


初めての海外だったので、どれもこれも初めてのことばかりでしたが、共に学び合う仲間や先生のおかげで、とても充実した研修になりました。アメリカの学校は、クリエイティブな造りがなされていたり、決められたホームルームがなかったりして、枠にとらわれないという印象を受けました。一方で、日本は和や集団を大切にする文化だと改めて感じました。このように、私の知っている「学校」と違う部分もあれば、ダウン症の子どもが楽しそうに授業に参加していたり、自閉症の子どもが作業に黙々と取り組んでいたりと、私が知っている「学校」の姿も感じる事ができました。日本は日本の良さや日本独特のスタイルがあると思うので、良い所を取り入れながら、日本の特別支援教育をより良くしていくことを考えたいと思うようになりました。

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