岡山大学大学院教育学研究科・教育学部ESD協働推進センター

2025年度 岡山県ユネスコスクール高等学校ネットワーク 事前学習会

2025年度 事前学習会 報告


令和7年度 事前学習会

「事前学習会」とは、毎年11月に開催する「実践交流会」のテーマに関連した内容を事前に学び合う会のことです。

今回のテーマは、「食×ESD×ユネスコスクール」~ ほんとうにサステナブルな食って?? ~ として、
身近な「食」にまつわり具体的な選択をシミュレーションするアクティビティ(サステナブルなお弁当の考案)を通じ、食の問題の深さと複雑さ、相互連関性について気付きを促すような活動を行いました。

日時:令和7年8月25日 (日) 14:00 〜 16:30
場所: 岡山大学
参加校:岡山県内ユネスコスクール加盟校・キャンディデート校 9校
+  岡山県立倉敷天城高等学校
後援:岡山市SDGs・ESD推進課


活動風景

■ 開会

岡山県内の様々な地域から、11校・約80名の生徒と先生達が集まってくれました。
遠くから朝早く出発した生徒さんたちもいます。中には「去年も会ったよね!」という声も聞こえてきました。


■ アイスブレイク

最初は緊張した面持ちだった生徒たち。その雰囲気を一変させたのが、幹事校・和気閑谷高校の生徒チームによる「自己紹介・ジェスチャーゲーム」でした。「食」をテーマにした親しみやすいお題と、生徒チームの見事なジェスチャーに、会場は一気に和やかな空気に。初対面とは思えないほどすぐに打ち解け、その後のグループ活動も大変スムーズに進みました。参加者からは「おもしろかった」「次回もぜひ参加したい」といった声が多く聞かれ、大成功のアイスブレイクとなりました。

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(例題で行った「餅つきをする人」のジェスチャーの様子[5-7枚目])


■ ゲスト・心構え・レクチャー

まずテーマである「食」の専門家として、ゲストに三田様をお招きしました。
次に、ワークに取り組む心構えとして本学習会の目的を共有し、互いを尊重し、まずは相手を認め合った上で対話することの重要性を伝えました。
最後にレクチャーとして、パワーポイントを用いたデジタル紙芝居形式で「カカオ、ペットボトルなどから始まる複雑な問題」を取り上げ、私たちの身近な物事が、世界中の様々な問題と複雑に絡み合っている構造を解説しました。

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■ 個人ワーク「理想のお弁当づくり」

今回のワークは「理想のお弁当づくり」なので、参加生徒の理想像は様々であり、その可視化や理想のお弁当の具現化をしました。

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■ 参加生徒が考えた理想のお弁当

個性がでていて、それぞれ素晴らしいものが描けていたと思います。どれも特色が見えてきますよね…!

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■ 個人ワーク「理想のお弁当づくり」の振り返り

今回の個人ワーク「理想のお弁当づくり」では、参加生徒がそれぞれ思い描く理想のお弁当を可視化し、具現化しました。そして、完成したお弁当について、「継続可能性」「環境配慮」「おいしさ/楽しさ」という3つの観点から自己評価を行いました。


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■ グループワーク「現実のお弁当づくり」

最後のグループワークでは、「現実のお弁当づくり」をテーマに取り組みました。このワークは、個人ワークの振り返りで用いた「継続可能性」「環境配慮」「おいしさ/楽しさ」の3つの観点を踏まえつつ、グループごとに設けられた制限の中でアイデアを出し合うものです。あるグループは、お弁当箱の中に「親子丼」を描き、お弁当の固定観念を良い意味で打ち破るような、ユニークな発想を見せてくれました。



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各グループのお弁当

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■ 班ごとの振り返り

活動の最後に、班ごとの相互評価を行いました。他のグループのアイデアで優れていると感じた点や、参考になった点を付箋に記入し、相手のワークシートに直接貼り付けて考えを伝え合います。その後、グループごとにmentimeterを使って振り返ってもらいました。



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各班の振り返り

【グループ1】
みんな案を出してくれてとてもやりやすくスムーズにすることが出来てとても良かったです。自分には考えられなかった案を出してくれたので新たな意見を取り入れる事が出来て良かったです。

【グループ2】
みんなで、弁当のことを深く考えれました! 例えば、栄養素のことや、値段、地産地消など、さまざまなことが学べました これからは地産地消のことなどを意識して料理などしていきたい

【グループ3】
・たのしかった。
・このような活動を通して他校と協創し合えて新たな知見を得ることができ、良かったです。
・色々な学校と交流ができて生産的でした。

【グループ4】
・いろんな学校の人と話せて楽しかった
・有機栽培をしてる野菜は値段が高いため、調整をするのが難しかった
・自分の考えを話すのが楽しかった
・お菓子を食べるのが楽しかった
・自分の考えが深まった

【グループ5】
弁当の野菜を考える時に肥料を考えて作ることがなかったので良てもいい経験になりました。買い物をする時に二酸化炭素を排出量を減らすために遠くの方に買わないようにしたりして工夫をするのが大切だと思いました

【グループ6】
グループで楽しく食やESDについて話せてよかったです!グループで地産地消や国産などを意識して選べて、今度スーパーで食材を買う時に参考にしたいと思いました!みんなそれぞれ考え方や大切にしたいことが違って色々な意見に触れられてよかったです!お弁当という身近な問題で考えることができて改めて知れてよかったし何より楽しかったです!環境がよいものを選ぶと費用がかさむので考えるのが難しかったです!

【グループ7】
理想のお弁当を考える時にいつもは気にしたことのなかったことを気にして考えられた。料理をする時にSDGsにも気をつけたい。今回の学びを日常にも活かしていきたい。食材の安さの背景も考えて購入を決めたい。グループで共有することでみんながどんなことを考えているのかを知れて新しい発見があった。周りの人と自分の生活を比べて考えることが出来た。

【グループ8】
お弁当を考えることから、食材の裏側について考えることができる機会となった。食材が来るまでの出来事や地産地消、フードロスについて学ぶことができました。身近なことに感じて、今後の生活に活かしたい。

【グループ9】
冷凍のお肉と生肉の違いがわかった。お米の値段の違いがわかった。自分が買い物するときの考える幅が広がった。いろんな角度から考えないといけないから難しい。


■ 全体の振り返り



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■ 集合写真


参加した生徒の感想

※一部のみ紹介します。

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今回、食について考える時間があり、とても良かった。
どこの県産のものを使うか、栄養は偏ってないか、値段は買える値かなど、様々なことに注意しながら、考えれた。また、値段と健康の両方を考えながら、するのは難しかった。
みんなと考えられる良い機会になった。

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食やグローバルなことに感心がある同年代の生徒さんとつながることができてうれしかった。初対面だったにも関わらず、みんなでいろいろな話ができて楽しかった。
理想のお弁当を考えるときに、いつも自分が作るお弁当を描いたが、1つ1つの食材の原産地はあまり普段意識していなかったことに気が付いた。外国産の方が良い食材と国産の方が良いものがあるのか気になった。

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いつも自分が食べていたものの産地など考えたことがなかったけど、いざ考えてみると、自分はなにも考えずに好きな食べたいものだけを食べようとしていて、持続可能では全然ないことが分かりました。
グループでつくってみると、みんなで協創して、意見を言い合いながら、国産や安さ、距離などを考え、持続可能なお弁当を作ることができました。ロスや手間なども考えることができた。

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いろんな高校の人たちと話しながら、お弁当を考えるのが初めてでとても楽しかった。最後に他のグループの人たちが考えたお弁当を見ると、また違ったアイデアがたくさんあってすごいなと思ったし、とてもおもしろかった。お米農家の人の話を聞いて、いろいろな事情があって、値段を決めていることを知って、とてもいい経験になった。時間が立つのがすごく早く感じたので、もっとやりたいと思った。

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特に印象に残っているのは肥料の話で、「国産」の表記でも肥料は外国産であることが多かったり、距離でもCO2を減らせたと思っても、肥料を運ぶためにコストがかかったり、そこでCO2が排出されていたり、特別栽培について初めて知れて、いつもだったら、調べるのがめんどうだし、いいやって思っちゃうことでも、この会を通して、初めて知れて、来てよかったと思った!!また機会があれば、参加したいです!!

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