ESDレコメンド
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<主な掲載内容>
第1章 気仙沼市の地域に根ざした持続発展教育(ESD)の推進
第2章 気仙沼市内各校のユネスコスクール取組事例
第3章 気仙沼市におけるESD/ユネスコスクール普及推進のための取組
第4章 気仙沼ESD/ユネスコスクールと宮城教育大学・東北大学との協働
第5章 データで見る気仙沼ESD/ユネスコスクール
気仙沼市は、平成17年国連大学の「国連持続可能な開発のための教育の10年」(DESD)の地域拠点(RCE)の1つ「仙台広域圏」のモデルに認定されている。また、全市をあげたユネスコスクールの加盟・率でもトップクラスを誇っている。
第2章「気仙沼市内各校のユネスコスクール取組事例」では、気仙沼市内のユネスコスクール小学校20校、中学校11校、高等学校2校が掲載されている。また、「ユネスコスクール実践テーマ一覧」には校種別に分類され、各校ごとに「環境」「国際理解」「福祉」「幼小中連携」「キャリア」等の「主なESD領域」が示されているため、目を通しやすい。
「気仙沼市の地域に根ざした持続発展教育(ESD)の推進」において、気仙沼市立学校教頭会としてのESDの取り組みが掲載されている。気仙沼市立学校教頭会は、2009年に開催された「全国公立学校教頭会(千葉大会)」で、「持続発展教育(ESD)」の研究実践を全国ではじめて提言(発表)するなど、意欲的な組織である。本書では、管理職の立場としてESDをいかに普及・促進していくかについて学ぶことができるとともに、学校全体でESDに取り組んでいくうえでのヒントを得ることができる。
なお、この紀要の続編となる「気仙沼ESD共同研究紀要2 震災からの再生と創造を担う児童・生徒の育成をめざして」も2013年に刊行されている。
国立教育政策研究所のプロジェクト研究である「学校における持続可能な発展のための教育(ESD)に関する研究(平成21年度)」の成果を中間報告書としてまとめたもの。
学校におけるESDの定着と充実にむけて、カリキュラムや教材、指導方法、評価の在り方などを明らかにしているESDの指導に関して参考となる資料。ESDに関連する資料の収集・整理と同時に、ESDのねらいを実現するための仮説「視点整理型アプローチ」及び「チェックシート型アプローチ」を提案。この双方の方法に基づき授業(ここでは、社会、理科、総合的な学習の時間)の設計及び実施を通じて検証を実施している。なお、本報告書にはこの研究に取り組まれた小学校・中学校・高等学校15の実践事例が掲載されている。また、日本のESDの動向のみならず、ESD先進国といわれているイギリス・ドイツのESDの取り組みについても紹介。
「ESDの重要性・必要性について理解はできていても、実際に学校現場でどのように授業づくりをしていけばよいのだろう」と悩まれている先生方にとってはオススメの一冊となる報告書。
平成21年の報告書「学校における持続可能な開発のための教育に関する研究」、平成22年の中間報告書「学校における持続可能な発展のための教育(ESD)に関する研究」に続く最終報告書。
学校現場にESDをわかりやすく紹介し、教員がESDのカリキュラム開発や実践を行えるようになることを目指している本研究は、平成20年より取り組まれてきた。研究で明らかになった点は、ESDの枠組みとして、持続可能な社会づくりの構成概念やESDの視点に立った学習指導で重視する能力・態度などである。
また、平成23年度には、22年度の研究の成果を生かして修正した最終的な「ESDの学習指導過程を構想し展開するために必要な枠組み」に基づいて実践を行い、その枠組みの有用性について検証。小学校・中学校・高等学校の「ESDの視点を生かした授業づくり」の事例が以下のように掲載されている。
小学校2例(総合・家庭)
中学校4例(理科1・家庭1・技術2)
高等学校8例(総合・体育・地理・数学・外国語・化学・商業・国語)
本研究委員の「コメント」も随所に盛り込まれており、実際に学校においてESDを実践していくうえでの参考となる。
2012年11月に東京都多摩市で開催された「ユネスコスクール地域交流会 in 関東」と2013年1月に福岡県大牟田市で開催された「ユネスコスクール地域交流会 in 九州」の報告および関東・九州各地域を中心としたASPnet(ユネスコスクール)それぞれの活動事例が掲載されている。
本事例集は、「地域との連携」「はぐくみたい力・学力」「学校間交流」「校内体制」「高等学校」の5テーマおよび研修会(関東・九州)別に分類されている。関東では25事例、九州では24事例が掲載。
また、巻末には2つの地域交流会の開催要項やユネスコスクールのガイドライン、日本全国のユネスコスクール一覧などが掲載されている。
2012年6月20日~22日までの3日間、リオデジャネイロ(ブラジル)で開催された「国連持続可能な開発会議(リオ+20)」。本報告書には、
①このイベントに向けてESD-Jが準備してきたこと
②リオ+20でのESD-Jの活動について
③リオ+20」を踏まえた活動(「成果報告会」(2012年10月立教大学にて開催)および「国際フォーラム」(2012年11月立教大学にて開催)
④①~③に関連する参考資料
について掲載されている。
本報告書の特徴としては、「リオ+20」に向けてESD-Jが熱心に取り組んできた成果や今後の展開、また、ESD推進のためのアジアの市民社会のネットワーク構築に向けたESD-Jの取り組みについて学ぶことができる。
「国際フォーラム」の中の公開フォーラムについては、フォーラムの記録および参加者アンケートの回答結果を公表。また、フィリピン・中国・インド・インドネシアのNGOのESDの動向も知ることができる。
平成23年に第2回持続発展教育(ESD)大賞小学校賞を受賞している駅家西小学校の研究報告書。
本報告書は、「自立と共生をめざし、確かな学力を身につける子どもの育成」を研究主題とし、全学年でESD実践に取り組んだ平成21年度の研究実践が掲載されている。
また、各学年のESDの指導案も記載。「教科領域との関連性」および「評価規準の見取り計画表(学習前)」「評価規準の見取り計画表(学習後)」に加え、「学習構想図」を掲載。この「学習構想図」は、本書後半部に掲載の「ESDカレンダー」の一部分を拡大させたものである。「学習構想図」と「ESDカレンダー」の双方を用いることによって、各教科・テーマ・時期等のつながりの理由がより意識化される。
また、ESDの指導案に加え、「道徳」や「算数」など教科学習の指導案も掲載されている。この指導案には「ESD教育との関連」という項目があり、「ESDの立場から見た児童につけさせたい学力」について明記されている。
駅家西小学校のESDの取組については、この他に「駅家西小学校教育研究会 Education for Sustainable Development~自立と共生をめざし、豊かな感性を身に付ける子どもの育成」(2012年)、「駅家西小学校教育研究会 自立と共生をめざし、豊かな感性を身に付ける子どもの育成~ESDで育む人間性~Education for Sustainable Development」(2014年)、藤井浩樹/川田力監修、広島県福山市立駅家西小学校編『未来をひらくESDの授業づくり』(ミネルヴァ書房、2012年)などを参照。
平成24年12月に東京で開催された「平成24年度教育改革国際シンポジウム」の報告書。
「各地域におけるESDの現状と課題についての発表」では、ミッシェル・リカード氏(ヨーロッパ地域)、チャールズ・ホプキンス氏(北米地域)、野口扶美子氏(オセアニア・アジア地域)、角屋重樹氏(日本)の4名の専門家による発表内容をパワーポイント資料とともに掲載。世界の各地域のESDの現状を把握することができる。
「パネルディスカッション ESDの過去・現在・未来」では、4名のパネリストと大学・行政機関などの来場者が学校教育に関わるESDについてともに討議・意見交換を行っている。
また、後半には「ESDの学習指導過程を構想し展開するために必要な枠組み」など、学校教育でESDを推進してくために欠かせない資料が掲載されている。
<本報告書の構成>
第Ⅰ部「理論的提言と大学での実践」
第Ⅱ部「教材化と授業モデルづくり」
第Ⅲ部「世界遺産学習実践研究会の優れた実践事例」
第Ⅲ部では、奈良市内の小・中学校の教員が実際に世界遺産教育を行った成果が示されている。小学校3~6年、中学校は全学年の学習活動を掲載。「総合的な学習の時間」だけでなく、図画工作や国語科書写など「各教科等」での取組もみられる。世界遺産教育の授業づくりについて学ぶこともできる。
「世界遺産・地域の文化財等に関する教育」。この教育は、奈良が発祥の地であるといわれている。本冊子は、それぞれの地域の文化遺産等を切り口として、自身の学校現場においてもESDに取り組む方法を示唆している。
平成22年12月に石川県で開催された「東海・北陸ユネスコスクール交流会」の事例発表集。東北・北陸2地域にまたがる交流会で発表した3小学校、2高等学校の具体的な取組の様子をパワーポイント資料(カラー版)で掲載。また、本年度ESD閣僚級会合及び全体の取りまとめ会合等が行われる開催地である愛知県総合教育センターの取組事例「ESDの学校教育への導入―愛知県の状況―」も記載されている。
「資料集」には、発表校のESD実践に関連する追加資料を掲載。例えば、金沢市立材木町小学校のページには、学年ごとに作成されている「全体計画」や「ESDカレンダー」が示されている。
東北・北陸ユネスコスクールに関する資料としては、金沢大学「持続可能な地域社会づくりに向けた学校教育 北陸におけるユネスコスクール事例集」(平成22年)、金沢大学環境保全センター「東海・北陸ユネスコスクール交流会報告書」(平成23年)なども参照されたい。