ウェビナーのご案内
この度、ESD協働推進室助教の柴川弘子が、マレーシア国際イスラミック大学(International Islamic University Malaysia:IIUM)・建築&環境デザイン学部 Irina Safitri Zen助教との共同研究「ESD岡山モデルの再訪:マレーシアのESDの再方向付けに向けての教訓」(令和2年度住友財団日本関連研究助成事業)の一環として、ウェビナーに登壇します。
IIUMの学生も数多く参加する予定ですので、関心のある方はぜひご参加ください。
概要
KAED SUSTAINABLE DEVELOPMENT TALK 1/ 2021
建築環境デザイン学部(KAED)
2021年度 持続可能な開発トークシリーズ No.1
テーマ:‘Sustainable Communities of Practice in Okayama, Japan & Lessons for Malaysia’
「日本・岡山における持続可能な実践共同体&マレーシアに向けての教訓」
日時:2021年5月7日(金)11:00 – 13:00
Zoom, Google Meet via KAED YouTube channelを通じての配信となります。
関心のある方は、e-mailに件名を「ウェビナー申し込み」として頂き、
ご所属・お名前を記入の上、hirokoshibakawaokayama-u.ac.jp(を@に変えてください)までお申し込みください
トーク概要:
「岡山ESDモデル:日本の経験」
岡山はESDの世界的な先進地として知られており、初期にRCEに加盟された7都市のひとつである。中でも評価されている点は、市内に整備された37の社会教育施設―公民館を拠点に、学校を含む地域コミュニティが協働して進める多様なESDのプロジェクト群(Okayama ESD Project)であり、そのプロジェクトを集約しつつ公的に支援する行政のシステムである。これを岡山型ESDと呼ぶ。2014年のESDに関するユネスコ世界会議にて岡山型ESDは改めて多くの市民に知らされ、その後の発展が期待された。ここではそれを振り返り、批判的に検討する調査研究の第1段階として、このような動きが生まれた岡山市・日本の文化的・社会的・地理的背景に注目する。この分析を抜きには、岡山型ESDの可能性と課題、そして他地域への適応可能性について検討することは困難だからである。
現在、我が国でもSDGsが席巻する中、ESDの黎明期にあったサステナビリティの理念を理解しようと努力したり学んだり、既存の活動をどのように持続可能な社会づくりに向けたものに再方向付けしていくのかといった問いが薄まってしまっていることを懸念する声が挙がっている。主として学校教育の支援を行なってきた筆者も同様に、国の学習指導案にESDは盛り込まれたものの、どの科目のどの項目・活動がSDGsのどれに該当するかを示して終わっている事例が増えていることを危惧している。SDGsのように明快で分かりやすいバッチが、認知度を上げる一方で、教育を再方向付けしていくというESDの本来の目的が失われてはいないだろうか。
こうした日本・岡山市のESDの現状や課題についても率直に報告し、共同的思考のための題材としたい。(柴川弘子)
「ESD岡山モデルのための四重螺旋解析:マレーシアのための教訓」
岡山市が推進するESDプロジェクトは、持続可能な社会への変革を促す教育ツールとして、2016年に 「ESDに関するユネスコ日本賞」 を受賞し、ESD推進の世界的リーダーとして知られる。「ESDの岡山モデル」 には、大きな特徴がある。これまでに、地域の学習センターである「CLC」または公民館の積極的な役割、ESDプロジェクトにおける学校の子どもたちと地域の自然との交流、多様なステークホルダーの関与と協力、地域に根ざしたESDの取り組みなどが捉えられてきた主な特徴である。しかし、岡山市の持続可能社会に向けた変革のプロセスの一環として、持続可能性に関する知識の協働的創出がどのように広がったのかは把握されていない。本ウェビナーでは、ESDの岡山モデルにつながる岡山社会の発展に寄与する重要な成功要因を共有し、教育、経済、政治、市民社会、自然環境といった知識サブシステム間の相互作用を捉えたQuintuple Helixフレームワークを展開することで、マレーシアにおける持続可能な社会の発展に向けた知見を提供したい。全体として、本研究は、サブシステム全体がSDG 4.7 「持続可能な開発と地球市民のための教育 」、SDG 11.3’Inclusive and Sustainable Urbanization、SDG 11.4 「世界の自然文化遺産を保護する 」、SDG 11.A’Strong National and Regional Development Planning’にどのように貢献しているかを示している。(イリナ・サフィトリ・ゼン助教)
ウェビナーのチラシはこちらをクリックしてダウンロード下さい →
柴川とZen氏のトークの概要 (英語)はこちらをクリックしてダウンロードして下さい →
Abstract for the Webiner #1.pdf