岡山大学大学院教育学研究科・教育学部ESD協働推進センター

2024年度 岡山県ユネスコスクール高校ネットワーク 事前学習会

2024年度 事前学習会 報告


「事前学習会」とは、毎年11月に開催する「実践交流会」のテーマに関連した内容を事前に学び合う会のことです。

今回のテーマは、「食」× 「ESD」× 「ユネスコスクール」〜 一緒に前に一歩踏み出そう 〜 として、

「食」にまつわる諸問題について、様々な角度と視点から一緒に考えることを目的としました。
日時:令和6年8月23日 (金) 13:00 〜 16:00
場所: 岡山市勤労者福祉センター5F 体育集会室
参加校:岡山県内ユネスコスクール加盟校・キャンディデート校 11校
後援:岡山市SDGs・ESD推進課


活動風景

■ 開会

岡山県内の様々な地域から、11校・87名の生徒と先生達が集まってくれました。遠くから朝早く出発した生徒さんたちもいます。中には「去年も会ったよね!」という声も聞こえてきました。

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■ アイスブレイク

「自己紹介・以心伝心ゲーム」 今年度の幹事校、おかやま山陽高校の生徒チームのリードにより、初対面の皆が和やかな雰囲気になれ、グループでの活動が行いやすくなるようなゲームを行いました。最初は緊張した面持ちで座っていた参加者の生徒たちも、あっという間に打ち解けて賑やかな雰囲気に。さすがです。

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■ 「食糧問題を考える」

その後は、おかやま山陽高校の皆さんが、私たちが今年度なぜ「食」について取り上げるのかについて、また、例えばこれまでに学校で取り組んできているESD活動はどのようなものがあるのか、しっかりと整理して、コミュニケーションを交えながらお話してくれました。

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■ 学生スタッフによるイントロダクション

次は、ユネスコスクール高校ネットワーク学生スタッフより、この学習会とネットワークの目的について、先輩として高校生たちに分かりやすく伝えます。

■ 食に関するフォト・ランゲージ

開発教育協会(DEAR)の教材を使って、「フォト・ランゲージ」という活動を行いました。グループごとに配布された様々な国の家族の1週間の食材を並べた写真を観ながら、お互いに気が付いたことをできるだけ沢山出し合います。今回は日本の家庭の写真+海外(どこの国かは明かされていない)の写真の2枚を用意し、比較もできるようにしています。思わず見たことのないような珍しい食材に目がいったりしますが、違う点、同じ点など、色々と気が付いたことが次々と出されます。「写真」を通じて、生徒どうしの会話も弾みます。できあがったものを一斉に貼り出して、全員で鑑賞します。賛同したコメントには赤いシールを貼り、意思表示。赤いシールが多かったり、少なかったりするコメントは、改めて学生スタッフが貼った人にインタビューし、その理由を尋ねていきます。

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フォト・ランゲージ

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■ 食の変遷

次に、学生スタッフが「食の変遷」について、スライドを用いて説明しました。発砲スチロール、電子レンジ、ラップなどなど、技術革新が先進国の食卓を便利で豊かにしてきた一方、そのことが引き起こしてきている別の問題もあること。ここに気が付くためのイントロでしたが、Slidoの結果などを通じて、ややメリットばかり強調されてしまったと反省しています。(デメリットについても考えるワークを時間の関係で省略したことも大きいかもしれません。)

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slido

どの食の変遷が今の食文化にインパクトを与えてると思いますか。

  1. 26票 冷凍食品
  2. 14票 家庭用電子レンジ
  3. 13票 カップラーメン


■ 15年後の私たちの「未来の食卓」を考えるワークショップ

こうした食文化の変遷を理解した後、近い未来の食卓を一緒に考えていくというワークを行いました。現代の食は多様で豊かに見えても、かなり環境に負荷をかけていたり、貧困にあえぐ人がいる一方でフードロスの問題があったり、と矛盾が多いのも確かです。気候変動、フードマイレージや、バーチャルウォーター、農業従事者の後継問題、プラスチックごみ、などなど様々なサステナビリティの問題が絡んでいます。その中で、高校生がもし大人になって食べるとしたらどんなメニューが良いか、一緒に想像するという活動を通じ、解決策や展望を見いだして欲しい。

 そんな企画者側の願いから、この活動に取り組むことになったのです。

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未来の食卓

様々なローカル志向、健康志向、福祉的な配慮のあるメニューが考案されていました。

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■ 振り返り

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今回のワークショップで行った「未来の食卓」の活動を通して、 未来の食卓をどうしていきたいと考えましたか。

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■ 集合写真


参加した生徒の感想

※一部のみ紹介します。

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日本と海外の食生活について比較する機会が今までなかったので, 世界の色々なところで食べられているものを知れて良かった. 梱包されているものが日本に多くあることからとても衛生面が整っていることを再認識できた. 前回よりも他校の人たちとたくさん話して, 意見交換ができて, 貴重な機会を今後の自分たちの学校に活かしたいと思った.

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初めましての同じ班の仲間と緊張がほぐれて, 仲良くワークショップが できたので, 良かった.
今回, 食についてのワークショップで進めていくので, 地産地消や 残飯を減らしていくこと,
料理すれば, 食べられるところなど色々な 方面から見て, より良い地域社会づくりをしていければ, 良いと思った.
コノヒトカンもあるので, 「コノヒトカン×〇〇」で, 食品ロスを減らしたい。

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来る前までは真面目に話し合う会だと思って緊張していたけど, みんないい人だったり, 楽しい企画があって
とても楽しく会を終わることができました. また来年も機会があれば参加してみたいです.
ちなみにワークショップでは, 昆虫食プレート が1番印象に残りました.

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昨年度よりも生徒同士で話し合ったり、考えたり、共有できる
ワークショップで楽しんで行うことができたと思います.
自分の意見や考えを深める事ができた思います.
11月の実践交流会では, 今回のことを踏まえて, 食糧問題を解決へ
導く, 思考をより深めたワークショップや発表を行いたいと思います.

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色々な国の「食」について知れて, とても勉強になりました!
食だけではなく, それを取り囲む電子レンジやラップなど
がいつ発明されたかまで知れて, とても有意義な時間でした.
また, 15年後のメニューを考える際には, 問題が悪化しないようにするアイデアや,
問題が深刻化したときの対策を考えていて, 様々な視点があることに気付かされました.
それぞれの班の献立が個性豊かで見ていてとてもおもしろかったです. 工夫すごい!
食品ロス⇔飢餓なので, 一つの対策でつながっている2つの課題を
解決できることは今まで考えつかなかったので, とても納得しました.
このつながりをこれからの活動でも考えていけたらと思います.

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学生スタッフより

最後まで記事を読んでいただきありがとうございます。無事に事前学習会を終えられて嬉しく思います。
参加した生徒さんは感想をたくさん書いてくれていて、「楽しんでもらえたのかな」とホッとしていいます。
今回の事前学習会の反省点をもとに、11月はより学びを得られる実践交流会となるよう、企画・運営をサポートさせて頂きたいと思います。これからも学生スタッフ一同、頑張っていきます。

文責:スタッフ 川上



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