岡山大学大学院教育学研究科・教育学部ESD協働推進センター

岡山県ユネスコスクール高校ネットワークESD研修会

去る8月18日 オンラインにて岡山県ユネスコスクール高校ネットワークのESD研修会を実施しました。

岡山県のユネスコスクールに加盟する10の高校から成る同ネットワークは、2015年に設立以来、毎年11月に実践交流会を実施し、学校間および海外の高校生との交流を実施しています。

生徒同士の実践の発表の場と交流の場として機能する実践交流会ですが、ネットワーク高校の卒業生である「学生スタッフ」、そして輪番で事務局を務める顧問の先生が草案を作成するプロセスも現職教員研修、ESD、ESDサービス・ラーニングの一環として重視しています。

ESD協働推進室は設立以前よりネットワークと伴走しており、主に学生スタッフ養成の拠点として、またESDの知見提供の場としての使命を果たせるよう努力しています。

今年度の研修会は、10名の顧問の先生方と学生スタッフでオンラインで開催しました。

1)ESDユネスコスクールについての基礎的理解

2)昨年度の実践交流会の反省・ESDアクションプランの進捗状況の共有

3)コロナ禍における高校生主体のESD活動の推進に関わる課題の共有

4)今後の実践交流会に向けた生徒の主体的ESD活動を促す手立てに関する議論


3)4)の議論を踏まえ、今後は学生スタッフと顧問の先生方で、11月に実施予定の実践交流会およびその事前学習会に向けての企画を行います。

学生スタッフの作成した報告書より、研修会で出た意見をまとめると、以下のようなものとなりました。

●海外と交流を実施する上で、事前に相手国のことを生徒が主体となって学んでおくことは、実りある交流の上で必要かつ有効である。

●今年度のテーマでも、世界的問題としてのコロナは外せない。コロナ禍におけるブルガリアの活動から、日本のこれからを考えることで、今後の世界の方向性を見いだせるような交流会にできるのではないか。

●昨年度はオンライン開催で、参加人数に制限があったことは残念であり、もっと多くの生徒に参加させたい。ICTの環境も昨年よりは向上しているため、様々なアプリやソフトの活用で以前のように多くの生徒が参加できるように工夫できないだろうか。世界的なテーマについて考えることも重要だが、やはり学生の視点からコロナ問題について考えることが良いのでは。

→コロナ1年目「負けない、頑張ろう」、2年目「行事中止・制限で辛い」

→このような困難に向き合っている生徒の心を癒すのも、ユネスコスクールのあるべき姿ではないか


●目的を明確にし、楽しく実りある交流会にしていきたい。生徒の感覚を考慮し、例えばゲーム感覚でSDGsが学習できるような取り組みなども取り入れるべきではないか。

●国際交流したい生徒は多いはず。

→これらからも、今年度のネットワークの方向性として、

1)今こそ国際交流・学びを大事にしながら、生徒が主体となって楽しいと思える「学び」を提供したい

2)交流相手について文化や背景を尊重し、より深く学びながら交流する姿勢を育みたい

3)コロナも含め、持続可能性の課題という世界的課題を、生徒にとっての身近な課題としてしっかりリンクさせたい

4)ICT環境が整いつつある今、より幅広い参加方法について挑戦していきたい

といったことが整理できました。

オンラインで短い時間ではありましたが、久々にお会いした顧問の先生、今年からキャンディード校に認定された学校の顧問の先生や、新しく引き継がれた先生が交わり、そこに卒業生の成長した姿もある充実した研修会となりました。

以上

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